今からちょうど4年前、
まだ鹿児島へ移住するなど想像もしていなかったころ、
当時付き合っていた彼(今の夫)が「俺、いつか畑やりたいんだよね」と言い出した。
そのころ私は編集プロダクションに勤務していて、帰りはいつも終電。
忘れもしない24:36発に飛び乗る生活だった。
一方、彼もまた夜中の2時まで古本屋で働く夜型の生活。
そのため食事のほとんどは外食をするかコンビニ、お弁当屋さんで購入。
そして日々、そのローテーションである。
夫は18歳から実家を出ていたが、
驚くべきことにお米の研ぎ方・炊き方すら知らなかったし、
本気でキャベツとレタスの区別がついていなかった。
そんな人が「畑をやりたい」と言い出したから愕然とした。
「畑? ムリムリ。あなたにできるわけないでしょう?」
とたしなめたが「いや、いつか絶対畑やる!」と言い張った。
さらに「畑を始めたらよっちゃんも手伝ってよ!」とまで言うので、
「手が汚れるし、腰が痛くなりそうだから嫌」と適当に伝えたところ、
なぜか呆れられる始末。
“キャベツとレタスの区別もつかないくせに何を言っているんだろう”と
内心イラついたことを覚えている。
あれから4年が経ち、
東京から鹿児島市へ移住し、さらに田舎の薩摩川内市へ引っ越した。
ついに先日、念願の畑をゲット!
夫が海辺で出会ったおばあさんに「畑をやりたい」と言ったところ、
近所で貸してくれるところを探してくれたのである。
それから夫は張り切ってクワや長靴や、そのほか諸々の道具を揃えて畑仕事をしている。
私も料理に使いたいハーブの苗をたくさん植えた。
【Beach side garden】夫が畑につけた名前。
実りや収穫を楽しみに暮らす日々は悪くない。