2014年10月26日日曜日

長崎・福岡旅行忘備録

夫の遅い夏休みがとれたので、長崎と福岡へ旅行に出かけた。長崎はハマス夫妻と、福岡は義父を尋ねて。

長崎では四次元パーラー「あんでるせん」へ行き、マスターのマジックのようなショーを鑑賞。1000円札が浮いたり、ペットボトルのラベルが一瞬にしてボトルの内側に入ったり、目の前で繰り広げられる摩訶不思議な出来事に圧倒されつつ、“世の中にはすごい人がいるもんだ”と妙に納得した。ショーは予約制で、喫茶メニューを800円以上オーダーするだけで見られるので、興味のある方はぜひ。ちなみに、料理のお味は微妙で、待ち時間は異常に長いので要注意!

ほかにも、長崎では中華街や波佐見、佐世保などを巡り、夜はキャンプ場でテントを張って寝泊まりした。テントに泊まるのは小学生ぶりで、いささか抵抗があったものの、ハマス夫妻のリードで楽しい時間を過ごすことができた。夫はテント泊をいたく気に入り、「毎朝違う景色のなかで朝を迎えるのが心地いい」と言う。その考え方はとても彼らしく“素敵だなあ~”と思う一方で、“この根無し草体質が!”というツッコミも心の中で入れておいた。

3日目は長崎から福岡の糸島に移動し、鹿児島で知り合った松尾夫妻と再会。最後に鹿児島で会ったときにお腹の中にいた赤ちゃんはもう1歳になっていて、柔らかい髪のおかっぱ頭がなんともキュートだった。海が見渡せる定食屋さんで海鮮丼定食をいただいたが、やはり糸島のお魚はおいしい。実は糸島は以前に取材で訪れたことがあり、今暮らしている海辺の町に家が見つからなかったら“ここで暮らすのも悪くないかな~”と考えたことがある。海も山も、田園風景も素晴らしい。再び訪れた糸島は、やっぱり気持ちがよくてあらためて時間をとってまた来たいなと思う。

博多に到着すると、久々の都会にドッと疲れが出る。ビルの高さや人の多さ、街が動くスピードが田舎暮らしに慣れた私には少し刺激が強過ぎるようだ。加えて、義父のセレブ暮らしに面食らう。面白いエピソードがいくつもあったのだが、ここは念のため割愛。

その日は義父が予約したホテル最上階のスイートルームに泊まった。テント泊から一転し、そのギャップに落ち着かず。夫は突如として差し歯が割れた。夕食後、夫は義父と夜釣りに出かけるというので、ホテルの部屋に義妹を招いてふたりでプチ宴会を開催。あれやこれやと話したのだが、義妹に「よしみちゃん、今日お金おろすの忘れちゃったから1000円貸して」と言われてなぜかホッとした。しかし、酔っぱらい過ぎて1000円貸すのを忘れた。

翌日は義父と夫が糸島に釣りに出かけるというので、長い一日になるなあと腹をくくり、それについて行った。正直、釣りは嫌いではないが、魚は食べるほうが好きである。釣りは準備の時間が長いのと、絡まった糸をほどく時間が長いのと、釣れるまで待っている時間が長いのがね…。とどのつまり私の性格は釣りに向いていないのである。しかも、わざわざ福岡まで来て釣りなどしなくても、家の前の海で釣れるじゃん、などと思ってしまう始末。その日は義父も終始ご機嫌で、結局日が暮れるまで釣りをして過ごした。

最終日は義妹と3人で前々から行きたかったカフェでランチをし、夕方には解散。夫とふたり、IKEAであれやこれやと買い物を済ませて、自宅のある鹿児島の海辺の小さな町へ。帰る道々は4泊5日の疲れでだいぶグッタリしていたものの、それでも久しぶりの旅行にとても満ち足りた気分だった。

福岡滞在中、夫が席を外したときに義父からあらたまって「今、何か困っていることはないか?」と聞かれた。突然の質問に“うんん~”と頭を抱えてしばらく考えた。私があまりに黙り込んだので、義父は「そんなに考えるということは、困っていることがたくさんあるのか、それとも何もないのか?」とやや不安そうだったが、あらためて今の暮らしのなかで困っていることを考えてみると、“特になし”という結論に達した。

おととい初めて会った人が言っていた。
「言葉には人を傷つける言葉と、人に気づかせる言葉がある」。

義父ははからずも私に気づかせる問いかけをしてくれた。足るを知り、目の前にある小さな幸せを大切に日々を過ごしていこう。

そして最後に。
夫よ、素敵な旅行をありがとう。




2014年10月13日月曜日

雑記<小アジづくしの食卓を前にして>

先日、わが家に5人の友達が遊びに来てくれた。
夫のリクエストで豆乳鍋を用意。みんなでワイワイと食事を楽しんだ。友達のハッピーは報告を一緒に喜んだり、真剣な話で議論したり、たわいない話を延々にしたりして、気がつけば夜がふけた。

翌日は仕事の友達を見送り、ハマス夫妻の家の近くの海に釣りへ。
私はビールを飲みながら釣りをするみんなをぼんやり眺めていたものの、あまりの釣れなさに途中で飽きる。いつものパターンである。

しかし、時間が経ち、餌を変えたところで急に小アジが入れ食い状態。
まさに小アジフィーバー! 次々に釣れる小アジにみんなのテンションも最高潮に。

ちなみに、急きょ釣りに参加することになったギャラリストで現代芸術家のセキトくんは、やぶの中で見つけた細い竹に釣り糸と針をつけた即席竿だったにもかかわらず、釣りに釣りまくる。

その数、全部で100匹以上。
元カフェ店員で料理上手のしょうこちゃんが港でアジの頭と内蔵を落とし、早速家に帰って調理してくれた。私はまたまた焼酎を飲みながら、ほんのお手伝い。

しょうこちゃんと私がキッチンにいるころ、お庭では燻製づくりのための燻製器づくりがスタート。セキトくんが一斗缶を切り出し、燻製器をつくるところから始まったのである。スゴイ!

その日の食卓には、小アジの南蛮漬けに小アジの唐揚げ、小アジの燻製と新鮮な小アジづくしの贅沢な料理が並んだ。ああ、なんて幸せな一日!

田舎へ引っ越してから1年が経って不要な情報や感情から離れ、ますます暮らしは穏やかに、豊かになりつつある。