2017年3月6日月曜日

夫の読み聞かせに泣いた、という独り言

今年1月に鹿児島のギャラリーNEW ALTERNATIVEで行われていた「恐竜がいた」展。
夫と息子と、家族で観に行ったんです。

息子は下田昌克さんがキャンバス生地で作った恐竜たちを観て、驚いてそそくさと帰ろうとしたのですが、まあそれも含め、とてもおもしろかったんです。そして、谷川俊太郎さんが詩、下田昌克さんさんが絵を描いた本を購入して帰宅。

昨夜、夫がその本を初めて息子に読み聞かせしていると、いつもより疲れていた息子は食事もとらずに寝てしまいました。その様子が妙に印象的だった、という夫は、今日も夕食後に息子に読み聞かせを始めます。私は昨夜のそれがどのようなものだったのか気になって、となりで聴くことにしました。

すると、泣けました。
谷川俊太郎さんの詩には、わからない言葉が出てこない、小賢しい表現も出てこないーー。
それなのに、やさしくやさしく柔らかくまあるいまあるい言葉で、ぐさりと心を八つ裂きにするかのごとく、真理をつくのです。

そして、夫。
いつもライブで自作の詩を読むときとは違った、まるでお父さんの声、そのもので、谷川俊太郎さんの詩を読んでいました。それはとてもあたたかく、声そのものが、湯たんぽみたいで。聴いているだけで心地よくなり、正直、わが夫ながら最高だね、と思ったのです。

私、泣けました。
ああ、夕方、ファミレスでせっせとパソコンをひらいて書いていたあの文章はなんだったのか、と思わされて。本当に泣けました。少しですけど。

そりゃあ私が谷川俊太郎さんと比べるアレではないことなんて、百も承知です。
それでも、やっぱり谷川俊太郎さんが100%すばらしくても、自分の文章のことがそこで1mmでも思い浮かんだことは、私の中で何かが変わってきているのかな、とも思えてうれしかったんです。

何が言いたいのかというと、谷川俊太郎さんの詩も、私の夫も最高だということです。今宵の独り言。おやすみなさい。