2017年3月16日木曜日

子どもの心を育むこと

ある本に「生後9カ月までの子育てはほとんどの人が間違えない」という内容が書かれていた。

それを読んだのが、確か息子が1歳を過ぎたあたりで、“おやおや、これはちょっと怖いな”と思ったことを覚えている。

じゃあ10カ月以降になると、子育てを間違える人も増えてくるの? 
どうして9カ月までは間違えないの?
ていうか、私は大丈夫なの?
なとど、あれこれ考えた。 

考えた結果、生後10カ月以降は子どもが本格的に自分で動き始める、そこで子どもへの親のかかわり方が大切になっていく、ということだろうと思った。

子育て支援センターなどで多くの子どもたちをぼんやり眺めていると、1歳を過ぎたあたりから子どもの個性が少しずつ見えてきて、1歳半を過ぎるころにはそれがもっとはっきりとしてくる。とくに1歳半くらいには、どの子がどの親の子か子どもを見ているだけでわかるくらいに、親のカラーが子どもに反映されているようだ。

ああ、あの本に書いてあったことは、こういうことか、と理解した。

私の息子(現在1歳7カ月)は、先生が中心となって親子で行うキッドビクスやわらべうた、リトミックなどにほとんど興味を示さない。1歳くらいのときは“まだ1カ所に留まるのが難しいのかな。ハイハイをしている方が楽しいのかな”なんて楽観していたのだが、よちよちと歩けるようになった今となっては、クラスが始まるとサッサと気の向くままにどこかへ歩いて行ってしまう。

さて、どうしたものか、と最初は不安に思ったのだが、今はこれでいい、と考えている。
わが家はいろいろな理由でテレビをつないでいないので、息子は「おかあさんといっしょ」や「いないいないばあ」などの幼児向け番組をほとんど見たことがない。だから、単純にそうした歌にのれない。知らないのだから。

けれども、息子と一緒にライブへ行くと、息子は最前列でじっと演者の演奏を聴く。楽器を弾く手元を見つめる。ときに身体を揺らし、合いの手を入れるかのごとく、「イェーイ!」と声を発することも。

この様子を見ていると、息子は音楽が嫌いではない。むしろ好きだと思う。
ただ子ども向けの音楽には馴染みがない、親しみがない、というだけだろう。

子どもの生命力は大人が思っているよりも強い。
1年7カ月、子育てをしてみて、よっぽどのことがないかぎり、漠然とではあるが子は育つだろうと感じている。

でも、それは身体の話で、心はまた別の話だ。
心を育むには絶対的に親、もしくはそれに準ずる保護者のかかわりが大切なのだと思う。

今日、友達とその甥っ子と一緒に公園で遊んだ。
彼女は2歳の甥っ子の機嫌が悪くなったときに、じっくりとていねいに話かけ、その子の気持ちが上向くまでずっと待っていた。母親は毎日24時間ずっと子どもと一緒にいるから、そうしなければならない場面でも、場合によってできないこともある。それでも、私はできるかぎり子どもの気持ちに寄り添う母親でありたい。