2016年9月24日土曜日

「食べ終わりたくない」

夫は私が作る料理をおいしいと言って食べてくれる。ほとんどの場合、文句を言われることもない。

先日、晩ごはんに豚肉の生姜焼きを作った。夫はそれを「うまっ! 食べ終わりたくない! うまっ! おかわりしていい? うまっ」と言ってペロリと食べる。“食べ終わりたくない”は、“いつまでも食べていたいほどおいしい”という意味らしく、彼にとって最上級の褒め言葉なのだ。

けれど、私は知っている。夫は濃いめの味付けの肉料理の日はだいたいこう言うのだと。だから「そう? よかったー」と適当に言いつつも、内心“この子ども舌め!”と思っている。そんなことを考えているとなんだか料理の作り甲斐がないな、とだんだんとテンションが下がってきてゲンナリ…。

しかしながら、ただゲンナリするもの嫌なのでその気持ちをツイッターに書き綴って夫に言うのだった。「ツイッターに悪口書いたよ。うふふっ」と。すると夫も「えー、俺なんかしたっけー?」と言いながら一応ツイッターを見る。そして「俺、別に子ども舌じゃないし、本当においしかったし」と、私が子どもの寝かしつけをしている2階の部屋までわざわざ言いにくるのだ。

子ども舌じゃない! と言う辺りが子どもっぽくもあるのだけれど、心のどこかで“まあ料理にあれこれ文句をつけてくる夫よりはマシか”と思っている。ちなみに夫が“食べ終わりたくない”を連発した日は大抵食べ過ぎてお腹を壊すのだった。それに関しては心底勘弁してもらいたい。