2017年5月9日火曜日

帰る場所

今日は鹿児島市内でとある飲食店の2代目社長さんと打ち合わせ。そのなかで目から鱗の言葉があった。その方はご自身の仕事に誇りをもっておられたし、とても楽しんでいらっしゃる。しかし、「子どもには継がせたくない」と。そして、「子どもに継がせられる仕事を10年かけてつくる」と。

はーん、私は子どもが将来就く仕事のことなど考えてもいなかった。無論、息子(1歳9カ月)がいつか自分の好きなこと、得意なことを見つけてほしいと、親なら誰しもが思うようなことは考えていたが、彼の仕事のこと、ましてや「私がそれをつくる」などとはチラリとも思ったことがなかった。

フリーランスの編集者・ライターという仕事。10年先がどうなっているのか。考えるのがちょっと怖い、という思いもある。AIがラフを切って、取材なんかしなくても良い原稿を書く、そんな時代…? いやいや…、でもどうだろう。

ある売れっ子のフリーライターの先輩は、かつて私に「書く仕事はなくならない」と言った。私が鹿児島へ移住したときも、「大丈夫」と。そして彼女も東京から離れ、地方都市で暮らしているが、そりゃあもうバンバンお仕事されている。活躍の幅、そんなものは狭めていない。

私が息子のための仕事をつくることは、この先もちょっと考えにくい。とはいえ、私は母ちゃん。息子にめいっぱいの愛情を注ぎ、おいしいごはんをつくって、自由な遊びの場を与えて、安心して眠れる家をととのえる。そして、がんばって働く姿だってちゃんと見せるよ。だいそれたことはできないけれど、できることからひとつずつ。

今日はいい打ち合わせができた。帰る場所があることに、感謝したい。